かざし電気様
見込み商品を提案できるよう、スタッフ全員が情報を共有
招待状ラベルの宛名下にHOKUHOKUの顧客ランクに応じて
A−Dランクコードを小さく記録
かざし電気(北海道苫小牧市表町)の嘉指基博専務(42)と弟の宏治主任(39)は松下系列の二世61人で構成する北海道明徳会の一員であり、母親が急逝した2年前から代表を引き継いで、情報、住設など新規分野に一層の力を入れている。昨年からは松下のプロショップとしてデータベースマーケティングに注力し、遠隔パソコン教室も開設するなど新たな取組みも進めている。こうした積極的な営業展開の基盤となっているのがバロン社の顧客管理ソフト「HOKUHOKU」を活用した顧客管理にあり、今回はその取り組みを取材した。
かざし電気スタッフご一同
HOKUHOKUデータは大切な財産 定期的なバックアップが不可欠
かざし電気がHOKUHOKUを導入したのは平成7年で、すでに展示会の準備や日々の販促活動、経理事務面などで欠かせないものとなっている。
現在までに登録した顧客1600件のデータ容量は100MBにもおよび、同店の命ともいえる大切な財産といえる。そのため貴重な顧客情報を守るため定期的にリムーバブルHDDを使ったバックアップを欠かさず行っている。また全データを丸ごと保存できるZIPディスクを、保存用としてだけでなく自宅に戻ってからの編集用に使うなど工夫している。
同管理ソフトが役立つのはまず売掛金管理だという。個人客のほかに法人客も多い同店では毎月の売掛金請求が相当な件数になり、顧客ごとの回収予定日や月末残高など把握しておく必要がある。HOKUHOKUを使うことで「締切日など条件を指定して検索をかけて請求書を一括して発行するなど、作業がスムーズに行える」と嘉指専務はいう。このように事務処理にかける時間が大幅に省けることで女性スタッフがIHクッキングヒーターの販促などにも乗り出している。女性の視点から店づくりや料理教室を展開して昨年で15台ほど実績を挙げるなど効果も生んでいる。
ほかにも電話での1次対応においても、電話番号から過去の購入履歴を調べてスムーズに対応できたり、販促面でも商品別検索で見込み客を抽出して、より精度の高い販促が行えるなど活用している。
昨年からは松下のプロショップに参加し、より細かな販促が行えるよう徹底した取組みを進めているが、ここでも蓄積した顧客情報が役立っている。
顧客データベースとプロショップ研修の相乗効果で売上3割アップ
冬のプロショップ合展では、HOKUHOKUにある顧客データをもとに来場見込み者の一覧表を作成し1件ずつ細かなアプローチを行った。営業スタッフが1人あたり100件を手配り訪問し、女性スタッフは郵送分をテレマーケティングでフォロー。見込みリストには主要4品目とプラズマディスプレイ、クッキングヒーターを加えた重点商品について、提案すべき商品を型番で記すようにし、見込度や決め文句まで書きこむなど徹底して行った。
会場で同じ時間帯に来場が集中して接客しきれないという問題に対処するため、できるだけ来場約束時間を決めるようにした。例えば、午後の催しを案内することで混雑が予想される午前やお昼時から午後や夕方にシフトさせ、中だるみの解消につなげた。
また担当者が忙しくても別のスタッフが見込み商品を提案できるようスタッフの情報共有化も推進。招待状に使うラベルと一つとっても、顧客ランクに応じて宛名下にA−Dのコード番号を小さく記載する仕組みをとっており、スタッフ間で連絡を密にしていこうとする配慮が表れている。なお顧客データはCSV形式でファイル出力できるためラベル打ち出しで市販の宛名編集ソフトが使える点も便利とのことだ。
こうした手入れの行き届いた顧客データベースとプロショップの研修との相乗効果で、冬合展の来場率は前年の倍増、売上も同3割アップと大きく成果を伸ばすことに成功している。
今年はさらに新規客の獲得や店舗活性化などを課題に取り組んでおり、そうした側面からもパソコンのアフターフォローに注力したい考え。長年パソコンに取り組む同店では年間60台ほどの販売ベースがあり、昨冬に業者と提携して遠隔パソコン教室を立ち上げた。これは店舗と札幌市の講師センターを結んで専任講師によるパソコンの指導が受けられるもので、初心者の導入研修やスキルアップに活用を目指している。嘉指代表は「パソコンは普及してきたとはいえ、中高年や女性を中心にじっくりと習いたいという要望は強く、こうした期待に一つひとつ応えたい」としている。
これらパソコン教室の活用促進や、課題とする商圏の見直し、新規客の獲得などにおいても今後HOKUHOKUが有効に活用されそうだ。
ホームページ更新用と顧客管理用のPCをそれぞれ用意している。
かざし電気店舗
お店紹介 かざし電気
店 主 嘉指基博専務 住 所 北海道苫小牧市表町 創 業 昭和39年 従 業 員 6人 顧客登録数 1600件 年 商 1億2000万円 URL http://www.kita-panakazashi.itss.ac
この記事は雑誌「電気店」2002年4月号に掲載されたものです。