ひがしでんき様
自分の頭とノートだけでは絶対に顧客管理は不可能
日立系列店ひがしでんき（奈良県高市郡明日香村桧前５１０−４、東信行店主）は、昭和６０年５月の創業。東店主はコンピューター会社からの脱サラ組で、創業当時からパソコンを使った顧客管理を実践している。
東 信行店主
本誌がＨＯＫＵＨＯＫＵ導入のきっかけ、今ではパソコン３台併用
同店が位置する奈良県高市郡明日香村は、日本初の都市国家・藤原京を生んだ場所にふさわしく、現代においても情緒溢れる風景を数多く目にすることが出来る。明日香村にも壁画で有名な高松塚古墳や蘇我馬子の墓と考えられる石舞台古墳など、時代を感じさせる名所・旧跡は数多い。明日香村の総世帯数は約１５００世帯。村内には２店しか電気店は見当たらず、その内の１店「ひがしでんき」は文字どうり「村のでんき屋」として住民から頼りにされ、日夜問わず仕事に追われる毎日を送っている。
「何百という顧客を抱える電気店家業はきちんとした顧客管理が重要になる。自分の頭とノートだけでは絶対に顧客管理は不可能」の話す東店主は、前職からも分かるようにパソコン活用はお手のもの。現在も店舗（ＮＥＣのＰＣ９８２１Ｖ２００／Ｓ７Ｃ）、自宅（ＰＣ９８０１ＤＡ）、外販用ノートパソコン（ＰＣ９８０１ＮＳ／Ｅ）と３台のパソコンを併用している。
バロン社の経営支援ソフト「ＺＡＫＵＺＡＫＵ」を導入したのは平成３年の１２月末。「創業当時は別会社のソフトを使っていたが、物足りない点が多々あった。たまたま、『電気店』（本誌）でバロン社の広告を目にしたのが導入するきっかけになった」（同店主）という。
その後、消費税５％と郵便番号７桁移行を機に、平成９年２月１２日「ＨＯＫＵＨＯＫＵ／Ｗｉｎ版」に切り替えている。
現在、店で使用するパソコンが管理する顧客数は６１２件、以前はもっと多い件数の顧客数をデータ管理していたが、３・４年御無沙汰しているお客のデータは随時消去していったため、ほとんどのお客が固定客にあたる。ただし、データ消去してしまった後に修理の依頼を受けて、対応に困ったケースも何件かあったという。東店主は「顧客データが無いと、お客の持つ商品の型番や年式、過去の修理有無が全くわからない。今では古い顧客データ５００件分を自宅にあるパソコンに移し替えて対応するようにしている」と苦笑交じりに話し、今では万全を期す形を取っている。
去年の売上状況比較グラフを見て発奮材料にする
『ＨＯＫＵＨＯＫＵ』については「能力の５０％ほどしか使い切れていないが、使い勝手はかなり良い」と評価、大きく◎顧客管理◎大型商品在庫管理◎納品・請求書発行◎売り出し時見込み客ピックアップ（多重検索）の４分野で活用している。
その内、顧客管理は・購入金額・修理件数・各種工事等で９段階にランク分けされている。
「 『ＺＡＫＵＺＡＫＵ』の時と比べて基本操作については大きな変化は無いが、『ＨＯＫＵＨＯＫＵ／Ｗｉｎ版』に代わって処理スピードは確実に速くなっている。顧客データを無制限に入力出来る点も有り難い」（同）。
和美夫人は「お礼状のＤＭを送りたい時も付箋の項目をクリックすれば対象客が一瞬でピックアップ出来て便利」と絶賛する。普段、一人で店番をしている時は、昨年との売上げ状況を比較するグラフを検索してよく参考にしている。「去年の同時期にはエアコンが良く売れていたとか、実際にグラフ表示することで発奮材料にしています」（同夫人）。
電球一個、電池一個まで保有商品を入力してあるのに驚く顧客、そのあと喜びに
更には馴染み客が来店した際に、その人に顧客データを見せることも度々あるという。「お客さんに自分の個人のデータを見てもらうと、電球一個、電池一個の単位までの保有商品としてデータ入力してあることに驚かれ、喜んでくださいます」（同夫人）と話し、お客の方も、ここまで自分の所有する電化製品を把握してくれる店ならばと信頼を得られるようだ。
東店主は「我々のような田舎に店を構える地域店であればあるほど顧客との密接な関係、細かな情報収集は欠かせない」と話し、今後も「ＨＯＫＵＨＯＫＵ」をうまく活用しながら地域密着活動に生かしていくつもりでいる。
パソコンを操作する和美夫人
お店紹介 ひがしでんき
店 主 東信行店主 住 所 奈良県高市郡明日香村桧前５１０−４ 創 業 昭和６０年 従 業 員 ２人 店舗面積 ５．５坪 顧客登録数 ６１２件 （平成１０年１１月１９日現在）
この記事は雑誌「電気店」１９９９年２月号に掲載されたものです。
