エルフィット・クマガイデンキ様
店頭で素早く正確なデータで顧客に対応、高信頼獲得
顧客データは売上げと連動して自動登録
店頭の2台のパソコンで常に検索OK
エルフィット・クマガイデンキ(東京都府中市美好町1−25−11、熊谷三郎社長)の2代目、熊谷敏雄マネージャーはパソコンを導入して20年になる。登録データはすでに3500件。売り上げと連動させて入力するため、未稼働客も多い。販売店の見込みと顧客の購入意欲が一致しないケースも増え、買い替え見込みリストによる販促が思うに任せない状況だが、「電話や店頭での素早く、正確なデータを元にした対応が顧客の信頼につながり、十分」という。顧客データは経営に欠かせない財産として重みをましている。
高齢化社会がくるまで頑張りたいという
熊谷マネージャー
正確なデータ管理で示す顧客の使用年数認識とのずれを納得
周辺市場は、かつてはダイクマ、オリンピック、第一家庭電器が主要量販だったが、3年前にコジマが出店、そして昨年はダイクマがヤマダ電機に業態変更した。今年、ケーズデンキが出店するとYKKが揃う。
2人の女性パートは15年以上、月5000枚のチラシ配布を続け、地元への知名度は高い。量販店が出店しても「絶対地域店を利用する、量販店では買わないというお客はいる」という自信は揺るぎない。
地域店のシェアは現在、2割を切ったとの見方もある。「店主の高齢化が進むと、1割まで後退するかもしれないが、高齢化社会で地域店は重宝される時代が来る。それまで持ちこたえられるように頑張らないことには」という。
その経営を支えるのが、パソコンを活用した顧客対応だ。
顧客データの入力は、保証書のある製品を購入した顧客分は売り上げと連動しているため、自動的に登録していく。店頭には2台のパソコンが常に顧客情報を検索できる状態にしてある。電話での修理依頼や来店客との商談に、その顧客のデータを呼び出して対応する。
店舗は私鉄沿線に面し、目立つが、裏通りにあって決して立地条件はよくない。それでも地元の客がよく小物を買いに来たり、古くなった電気製品の相談に訪れる。
「お客が記憶している使用年数と実際は数年の差がある。きちんとデータを管理していることが、むしろお客には安心感をもってもらえる」と敏雄マネージャー。
以前は、購入後10年経った見込客に買い替え訴求のDMを打つと反応があったが、今は状況が変わった。
「残業が減り、無駄な買い物を控え、使える場合は15年も使う」。
売る側の見込みで勧める販促より、お客の対応に正確に答えるところから修理や買い替えにつなげることに重きを置いている。
顧客は付き合いの年数や購入金額などからランク分けされるが、必ずしもAランクの顧客が一番よく買ってくれるとは限らないという。
税務署の評判も高いパソコンでの経理処理
パソコンを使い始めたのは20年以上前になる。顧客管理の市販ソフトを試したり、自分でも作りかけたが、バロン社の「ZAKUZAKU(ザクザク)」に出会い、現在はバージョンアップした「HOKUHOKU(ホクホク)」を使っている。早くから経理処理にもパソコンを使っていたことで、税務署の評価も高いという。
顧客データはまさに財産。「HOKUHOKU」そのもののセキュリティーは「きわめてよくできている」と評価し、自店データのバックアップも欠かせない。奥のパソコンも含め3台のパソコンでデータを共有し、かつ定期的にCD−RWに保管している。パソコンは3年に1度は新しいタイプを購入し、念には念を入れている。
対応は顧客データとカタログを
見比べながら
立地条件はよくないが、古くなった電気製品の相談がよく寄せられるというクマガイデンキ
お店紹介 エルフィット・クマガイデンキ
店 主 熊谷三郎社長 住 所 東京都府中市美好町1−25−11 創 業 昭和48年 従 業 員 熊谷敏雄マネージャー夫妻と男子社員1人、女性パート2人の5人 顧客登録数 顧客データは売り上げ入力と連動しているため3500件 年 商 1億円弱
この記事は雑誌「電気店」2003年4月号に掲載されたものです。