シグマ烏山様
地域店復権支える経営支援ソフト HOKUHOKUを使いこなす
女性マネージャーが粘りで覚えたコツ
仲間の販売店にも惜しみなく伝授
「パソコンは素人。私の言葉は仲間の皆さんに分かりやすいようです」。シグマ烏山(東京都世田谷区南烏山6−4−32)の河野由子マネージャーは、バロン社の地域専門電気店向け顧客訪問・売上管理ソフト「HOKUHOKU」(ウィンドウズ版)を使いこなすコツを仲間の販売店にも教えている。石田利夫社長がHOKUHOKUを採用して8年。蓄積したデータから出てくる見込客リストが実績につながるようになってきた。
分析・作戦は石田社長、
データを活用するのは河野マネージャー
商圏は半径500メートル。HOKUHOKUに登録している顧客数はJCBのカード客など名前と住所だけの登録分を含めると5000件を超える。そのうち2500件に年数回、合展・個展のDMを届ける。さらに「2年間で1万円以上」を購入してくれる稼動客は1月現在、1116件。
顧客は8つの「主要地区」と8つの「準主要地区」、そして商圏外の3グループに分けている。客づくりで攻めるのは「準主要地区」。計画的にチラシを配り、その反応を見る。チラシ配りは「デリバリーさん」と呼ぶ8人が請け負ってくれる。中には「健康のために」と買って出る上得意客もいる。
こうした顧客管理と営業活動を支えているのが「HOKUHOKU」だ。データを見て分析し、作戦を練るのは石田社長。データを用意するのは、創業以来、石田社長の右腕として使える河野マネージャーの仕事だ。
訪問シートに生かす見込み客情報
売上げを「HOKUHOKU」の顧客台帳に入力すると保有台帳にも転記される。地区ごとの見込客数や稼動客数の増減は担当者別に一覧表にされ、営業の指針である「訪問シート」になる。日頃の営業活動で得られた「見込み情報」も入力され、訪問活動に生かされる。
毎日、男性従業員が記入した、名刺よりひと回り大きなサイズの「お客様情報カード」が河野マネージャーのところに集まってくる。カードの項目は「商品」「型名」「お客様名」「住所」「TEL」「訪問日と見込度」、そして「ひと口メモ」。この「ひと口メモ」が次回アプローチのヒントになる。
これらの情報データはパートの女性が入力する。「大事な情報を溜めずに入力することが顧客データを活用する秘訣。溜めると入力が大変。入力が洩れていると、データの鮮度が落ちて活用が鈍くなります」と河野マネージャー。
採用して丸8年経ち、ようやく販売活動にデータを活用できるようになってきた。昨年2月、購入してから7年を経過した洗濯機の保有客を対象に行った提案活動200件の見込リストから12台の成約ができた。
カリキュラムもオリジナル
「HOKUHOKU」は売りたい商品の見込み客リストが引き出せ、売り上げ・売り掛け・仕入れ、在庫管理が連動して行える。地域店には心強い“助っ人”だ。しかし、顧客情報の入力が確実になされなければ、生きた見込み客リストは出てこない。数多くの優れた機能も、どのレベルまで活用するかは販売店によってまちまち。
同店がHOKUHOKUを使い始めた2年後、販促グループを組んでいる世田谷区内の東芝ストアー9店もHOKUHOKUを採用し、手書きの顧客管理台帳を卒業した。しかし、HOKUHOKUの機能を使いこなすには、かなりのエネルギーが必要とされる。思うように利用できない店もあり、他店のために講習会を開いてきた。去年も夜、3時間ほど2回開いた。顧客情報の入力をする夫人や娘さんだけでなく、店主にも参加してもらう。カリキュラムは河野マネージャーが作った。日頃、仲間の店の夫人から電話で問合せがきたり、ノートPCを持って立ち寄る店主もいる。
河野マネージャーはテキストを読んで勉強することはしない。分からないと、その場でバロン社に電話で聞き、使い方を身につけてきた。「地域店が経営を続ける上で、HOKUHOKUは無くてはならない戦力です」という。
高校を卒業して東芝ストアーに勤めた石田社長は現在65歳。48年間、地域で家電製品の販売を続けてきた。この春、高卒の新人を1人採用する。
「量販店が勢力を増し、メーカーも四苦八苦。しかし、せっかく夢を抱いて就いた仕事だ。常に前向きに経営を延ばしたい。それには人を育てないことには。自分の給料を削ってでも先行投資する。地域専門電気店の武器である技術がお金で評価され、技術営業が確立できる時代にしたい。HOKUHOKUはその土台」と話している。
生の顧客情報が集まる「お客様情報カード」
京王線千歳烏山駅前の商店街にある店舗。
限られたスペースに
豊富感のある商品展示が工夫されている
お店紹介 シグマ烏山
店 主 石田利夫社長 住 所 東京都世田谷区南烏山6−4−32 創 業 昭和57年 従 業 員 石田社長 河野マネージャー 男性従業員2名 女性パート1人 顧客登録数 5000件
この記事は雑誌「電気店」2005年月3号に掲載されたものです。