タムラ商電様
故障修理は時間が勝負 HOKUHOKUが威力を発揮
印刷した請求伝票で信頼獲得
新バージョンのたびグレードアップ
タムラ商電(山梨県甲府市塩部4−4−9、田村博久社長)は「電気製品の町医者」的な発送で家電販売・故障・修理に取組み「故障の場合はいかに早く治してあげるかが勝負」という。そのためにバロン社の顧客情報管理ソフト「HOKUHOKU」が威力を発揮している。
印刷した請求伝票は顧客の信頼を得る、
と話す田村社長
パソコン教室開催 高齢者には低料金で
創業したのは、昭和56年。田村社長はそれまで家電メーカーに勤め、業界の表裏は熟知していた。メーカーのすすめもあって「HOKUHOKU」を導入したのは平成元年。顧客管理を5インチのフロッピーディスクにおとし、売上管理、売掛管理などに活用してきた。
田村社長は「顧客名簿を手書きしていると、ものすごく時間がかかり効率が悪い。それと同時に請求伝票などは手書きだと今ひとつ信用性に欠ける。その点、印刷された伝票を届けるとお客の信頼感が明らかに違ってくる」と「HOKUHOKU」導入後の効果をあげている。
ソフトは新しいバージョンが出るたびにバージョンアップしている。最初に導入したパソコンはNEC9801RX。現在は、富士通C405と同FMVNB15B(ノートパソコン)の2台を併用している。「ノートパソコンはお客さんのところへもって行って活用できる」。
3年くらい前から、インターネットを活用し、HPやヤフーなどを使いネット販売にも取り組み始めた。
「北海道のお客様などは、送料がかかるにもかかわらず、利用してくれる。電話料金を気にしてくれて、こちらからかけなおしましょうかと言ってくれる人もいる」。
同店の最大の特徴はキメの細かいサービスである。「パソコン教室」も随時開催しており、若い人から年配の人まで幅広く受講している。基本的には、出張教室だが、「主婦の方などグループで受講され、生徒同士がわきあいあいと勉強されている」という。量販店との違いは、アフター、ビフォアサービスが徹底していること。
1時間2000円程度で、ほぼマンツーマンで勉強できる。覚えるのに時間がかかる高齢者には1時間1000円と十分に配慮している。
パソコン教室の受講者がデジカメや他の商品の購入につながったり、顧客の固定化や新しい客を紹介してくれるなど、そのメリットは図りしれない。ワードやエクセルを教えて欲しいという要望に対し、教えたところ就職試験に受かったと感謝されたこともある。
顧客を5ランク分け3〜5年で見直し
現在、顧客数は約1万2000件。とはいえ、常時商売につながっている顧客は約800件。これもさらに分析すると、上得意客のAランク200人から、B、C、Dが各200件で、その下のEランクまである。顧客は3年ないし5年で見直していくのだという。
顧客リストの中には、いわいるブラックリストもあり、「電気屋同士で常に情報交換している。クレジットの審査には時間がかかるので、独自のリストで危険な客の情報も入手し、リスクを避けるようにしている」。
顧客に対して、販促策は重点商品をハガキで送るのが第一のステップだ。ここで、見込み客がある程度わかるという。「早い人は、ハガキを送っただけで、ちょっと商品を見てみたいとか、もっとよく知りたいとか反応がある」ことから貸し出しするなど試しに使ってもらう。
例えば、重点商品として取り組んだアルカリイオン整水器は関東甲信地区で見事一番になった。
「水がおいしいといわれる山梨で月に20台以上販売したこともある」と田村社長。社長自身が試して「自分の血糖値などお客に公表してこれだけ効果があります」と説明したことが大きかったという。これも、顧客管理と顧客に対する信頼から勝ち得たものといえる。
田村さんはラグビーを長くやってきた関係でラグビー仲間を通じ、夫人や娘さんのバレーボール仲間が商売につながるケースも少なくなかった。
日常は、店を留守にすることもあるため、「ただいま配達中」の札を入口に掲げている。それでも、店頭で常時、テレビと音楽は流し続けている。「テレビはパーフェクTVを流し、お客にあの番組はどうしたら見ることができるのかと関心を集めるのも狙い」。今後も、工夫をこらし、量販店の手の届かないサービスに特化して取り組んでいく方針。
パソコンはデスクトップとノートを併用。
ノートは顧客宅に持ち込んで活用することも
店頭で常時パーフェクTVを流し、CS放送への関心を高めるタムラ商電
お店紹介 タムラ商電
店 主 田村博久 住 所 山梨県甲府市塩部4−4−9 創 業 昭和56年 従 業 員 1人 顧客登録数 1万2000件
この記事は雑誌「電気店」2004年11月号に掲載されたものです。