フカデン様
まったくのパソコン初心者が独力でセットアップ
自分の入店前のお客様のことが分かり
失礼のない対応が可能という息子さん
松下系列のフカデン(静岡県富士市中里2−448−5、深草勝店主)では、顧客管理からチラシ作成、事務作業にいたるまで業務の広範にわたってパソコンを活用。業務の効率化が図られている。
深草店主
パソコンでチラシ作成、タイムリーに提案
同店ではパソコンを昭和60年の後半から導入。NECの営業マンからパソコン導入を勧められたことがきっかけ。
それまでは、チラシ作成をワープロで行っていた。当時のワープロは入力に手間と時間がかかり、コストも割高。より簡単なチラシ作成の方法がないかと探していたところだったという。
そうした経験から、チラシ作成を主体にパソコンに取り組み始めた。パソコンで顧客管理が出来ることを知り、顧客管理ソフト『HOKUHOKU』(バロン社)のMS-DOS版を使い始めた。
「当時はどうやってパソコンで顧客管理をするのかもわからない状態。パソコンで作った顧客情報をプリントアウトして保存するのかと思っていたほど。」と深草店主は振り返りる。
パソコン初心者の深草店主だったが、導入サービスを依頼せず独力でセットアップを行った。実際に使いながら、使用方法などを覚えていったという。
そうした努力の甲斐あって、今ではパソコンの顧客データを電話帳代わりに使うほどにまでパソコンに親しんでいる。パソコンの台数も4台に増え、『HOKUHOKU』もWindows版のVer.2にまでバージョンアップしている。
現在でも、パソコンでチラシを作成。スキャナーで商品画像を取り込む力の入れよう。オリジナルチラシ配布は毎月の恒例となっている。さらに、同店は輪転機も所有しており、チラシの企画・作成から印刷まで、すべて同店でおこなうなど本格的だ。これだ、という商品のキャンペーンを思いついたその時にチラシ作成、印刷、配布が可能。タイムリーな提案が出来るという。
また、パソコンを使ってサンキューレターを作成。購入から1年を経過した客にも、商品の様子をうかがう手紙を出している。 それらを作成する際に、住所録として『HOKUHOKU』の顧客データを活用。顧客データは、DM作成の際に有力見込み客を抽出するのにも活躍しているという。
サンキューレターや様子伺いの手紙をだすことで、お客様を気にしていることを知ってもらい、顧客囲い込みを目指す。
パソコンのデータを生かして実際に動いて商売することが大事
同店は修理受付コーナーを設置しており、修理依頼も数多く寄せられる。
深草店主は「以前、”買ったばかりなのに壊れた”と連絡してきたお客さんがいた。顧客情報と照合してみたところ、8年前に購入した商品だった。今はテレビなどが各家庭に何台もあり、お客さん自体が混同してしまうケースが多い。『HOKUHOKU』の顧客データはすぐに検索できるので、そうしたコールにも的確に対応できる」と話す。
同店では、外勤業務は深草店主と子息の英雄さん(平成5年に入店)、男性従業員1名が行う。英雄さんと従業員は顧客宅を訪問する前に、顧客データをチェックし、訪問に備えている。
「自分が入店する前からのお客さんを知り、失礼のない対応ができる」と話す英雄さんからも『HOKUHOKU』に対する信頼がうかがえる。
また、『HOKUHOKU』の導入が事務作業面にも効果を発揮している。以前、印刷屋に依頼していた店名入りの納品書なども不要になり、事務費のコスト削減につながっている。書類などもパソコンで作成したものの方が、手書きよりも信用がつくのだという。
パソコンは決算時にも有効だという。日ごろから売上集計が行えるため、税務対策にも役立っている。
店主夫人も「以前、税務署に書類を持ってくるように言われました。パソコンで作成した書類を持っていったところ、こんなにきちんとしているのなら、とほめられました」と誇らしげ。
これほどまでにパソコンを活用している同店だが、「今の時代はパソコンを使っているだけでは駄目。パソコンのデータを生かして、実際に動いて商売をしなければならない」と、今後もパソコンによる顧客データを活用し積極的に販売を目指す。
顧客管理からチラシの作成、事務作業まで
広範囲にわたってパソコンを活用する
フカデン深草店主
お店紹介 フカデン
店 主 深草勝店主 住 所 静岡県富士市中里2−448−5 創 業 昭和51年10月 従 業 員 4人 顧客登録数 約1200件
この記事は雑誌「電気店」2000年2月号に掲載されたものです。