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月刊電気店

地域家電店の生き残り策はある

HOKUHOKUにかける〜バロン 代表取締役 安田春樹

月刊「電気店」に掲載されました。

店に客が来る。電話が鳴る。「先日の冷蔵庫、調子いかがですか。おばあちゃん、お元気?」。パソコン画面の顧客情報を見ながら対応できるのがパソコンを使った顧客管理の強みだ。名前が浮かばない客には、電話番号だけ聞いておくと、後で検索して確認できる。代表的なソフト、HOKUHOKUを提案するバロン社の安田社長。かつては自身も地域店を経営した。メーカーの系列店政策が一定規模の店、将来性がある店に特化しつつある今、「小さな電気店でも、それぞれ生き残れる策がある。それを実行するための道具がHOKUHOKU」と語る。

電気店

月刊「電気店」2005・5月号

HOKUHOKUが誕生して20年ほどになる。地域電気店を経営していた安田社長が「地域電気店が道具に使えるソフトを」と開発したが。かつて家電業界で活躍した経営コンサルタント山田克美氏が提唱した「地域電気店の生きる道は、ハートがこもったデータベースマーケティングの実戦」であることを実現しようと、HOKUHOKUは誕生した。
 本誌はHOKUHOKUを活用する電気店を紹介する「パソコンによる顧客管理活用事例」を長く連載している。その連載に安田社長は注文をつける。
 「小さな電気店でも、生き残るための策がある。どうやったら売れるのか、どうしたら生き残ることができるのか、大事なのはその点であり、HOKUHOKUの特徴はどうでもいい。この店はこういう作戦で売り上げを上げよう、生き残ろうとしている。それを助けている道具がHOKUHOKUのこの機能、という紹介でいい」。
 地域電気店を取り巻く環境は、昔とは随分変わった。担当セールスマンの訪問が減り、かつては盛んだった経営指導や研修も少なくなった。それだけにHOKUHOKUを介して地域電気店の経営をバックアップしたいとう思いは強い。

世代を支えるHOKU HOKU

家電と生きる

「家電と生きる」掲載
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HOKUHOKUは店で働く人が顧客データを共有できるのが、最大のメリットだ。売り出した頃、訪ねた千葉県の、ある電気店での経験が安田社長自身を支えている。
 店主は「家や土地は個人の財産。店のものではない。後を継いでもらおうと思う息子に残せる財産は顧客だ。その大切な情報を紙の台帳で渡すのは心もとない。フル活用できるパソコンのデータにしたい」と導入した。大変と思われた顧客データの入力は正月休に家族で手分けた。息子には1件10円のアルバイト。またたく間に終わったという。
 10年ほど経って、安田社長はもう一度、その電気店を訪ねている。
「カウンターには息子さんが座っていた。うれしかったですね。『2世会に顔を出すと、仲間は皆、しょぼくれている。親父のお客ばかりで、仕事はガキの使いだという。でも、僕は違う。訪問するお客の情報を画面に出すと、相手のことが分かる。訪問シートにプリントし、親父と同じ情報を持って訪問できる』。HOKUHOKUはデータを共有できるので、世代交代にはきわめて役に立つ。息子さんの話を聞いて一段と自信がついた」。
 HOKUHOKUは現在、4000店を越える地域電気店で使われている。この間、改良され、機能が追加されてきた。使っている電気店の要望、アイディアも生かされている。そのひとつが販売見込み先情報を得る方法だ。
 元々、購入後の年数に応じて買い替え見込みリストが得られる。顧客管理ソフトの基本だ。販売店のアイディアで後から加えられたのが、日常の営業活動から得られる見込み情報を生かす方法。
 「修理や営業でおしゃべりをする中から、実はこれが欲しい、こんなことで困っているという情報が得られる。ここが地域店の強み。入力すると、翌日には見込み客情報データとして活用できる」。
 HOKUHOKUを全国規模のグループで採用する動きもある。ネット上にデータをおいて携帯電話から見ることができるシステムの準備も進めている。フルマラソンが趣味の安田社長だが、地域電気店生き残りのためのHOKUHOKU活用にゴールは未だ見えない。

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