電化センター・ジャック様
電気店経営のノウハウを教えてくれるホクホク
東京から西へ電車で約40分。その間横浜市という大都会があるものの、十分東京への通勤距離にある藤沢市。人口約40万人、昔から鎌倉、江ノ島という一大観光地をひかえ、その玄関口として賑わってきた温かみの溢れる街。今回は、そんな藤沢駅に程近いソニーショップ、「電化センタージャック」の事例を紹介しよう。
金井社長
パソコン3台をネットでつなぐ
藤沢駅北口をそのまま2階の歩道を行くと、右に「マルイ」、左に「さかい屋」のビルがいやでも目に入る。さして広くはない駅前広場を、観光地の玄関口として精一杯お化粧したという感じだ。自転車置き場でさえ、よく見られる雨ざらし置き場と異なり、きちんときれいな建物に収まって、遠くから見ると、どこかの旅館?と見間違うほど綺麗な建物。
電化センタージャックはここからほんの1,2分、地域電気店としては最高の立地条件にある。店舗前の通りは1斜線の石畳道で、両側に歩道もあり洒落ている。
同店店主、金井文夫社長はもともと技術屋で、サービスを主体にとびまわっていたという経歴の持ち主。先代社長からここを引き継いで2年、もとからソニーショップだったが、金井社長自身技術屋ということもあって、ソニーの独創性に大いに惚れ込み、ソニーショップに誇りを持っている。
従業員は、男子2名、女子1名、それに金井社長を含めると全部で4人。ジャックをローマ字で書くと「JAC」。JAPAN AUDIO CENTERというのが店名の由来。
ほぼ100%が店売り。商圏は藤沢、鎌倉それと茅ヶ崎の一部に及ぶ。
JACはその名の通り店内はソニーオーディオ製品が充実している。ミニコンポ群は当然のこととして、地域点ではあまり見られないソニーご自慢のダブルMDデッキMDS−W1がデンと置いてあるこだわりの店。店内にオーディオの視聴室があり、納得いくまで視聴できる。顧客は比較的年齢層が高く、中にはいま話題のスーパーオーディオ(SA)を早くも入手したいという人もいるそうだから、客層はかなりハイレベルと見るべきだろう。
金井社長の、バロン社顧客管理ソフト「ホクホク」とのお付き合いは8年以上になる。もちろん当社はDOS版。その間、ウィンドウズ版にも切り替え、それ以来店の経営には欠かすことができない存在となっている。顧客登録数は約9000人、そのうち実動客は3000人程度。それにしても地域の家電店としてはいかにも多い数字だが、これも同店の顧客密着に根ざした証ということができよう。
パソコンは奥の視聴室ルーム戸棚の中、レジ、事務所と3ヶ所にあり、事務所のものがサーバーとなってネットワークでつながれている。もちろん入力は全従業員が可能だ。
バロン社ホームページでバージョンアップ版情報を把握
現在は主に、お客様がどんな商品を保有し、いつごろ購入されたものかという保有情報を中心に利用している。ほとんどのお客様が顔馴染みという関係から、これらをきちんと掴んでおくことがお客様に信頼される必須条件。毎週4〜5回のDM発送にも絶対に欠かすことができない情報だ。顧客のランク付けは9ランクに分け、これらランクに基づき、一回50〜100のDMを発送している。
近々ホクホクのバージョンアップ版が出るが、バージョンアップ情報はバロン社のインターネットホームページで常時見ているので、およそのところは掴んでおり、大いに期待しているという。
パソコンソフトは製作者の気持ちを理解して使うと活きてくる
金井社長曰く、「ホクホクソフトは電気店の経営ノウハウを教えてくれているようなもの。ソフト制作者の気持ちを理解し、そのノウハウが理解できるかどうかで店の運営が左右される。未だパソコンで顧客管理をしていないお店はこれからはやっていけないでしょうね」と。
しかし同店を取り巻く環境の厳しさは、どこも同じ量販店やDSの多さ。トポス、ワットマン、第一家電、ノジマ、コンプマート、ケーズ等々一流どころはみんなある。そんな中での商売だから、さらにお客様に密着した体制をとっていく必要から、近々ポイントカード制の導入を図る予定だ。
これからの顧客管理ソフトへの希望としては、レジ回りと連動しているものがほしいという。
お店紹介 電化センター・ジャック
店 主 金井文夫社長 住 所 神奈川県藤沢市藤沢 創 業 昭和45年 従 業 員 4人 店舗面積 約35坪 顧客登録数 約9000件
この記事は雑誌「電気店」1999年7月号に掲載されたものです。